フゼアの香りと聞いて、皆さんはどんな香りを想像しますか?
前回紹介したシプレに続き、説明が難しい香り、フゼア。
いったいどんな香りなのでしょうか。
今回はそんなフゼアの香りを、誕生した歴史も含め、お話ししたいと思います。
フゼアは、男性用の香水に最もよく使われる香りの系統です。
これを覚えていれば、この香りがフゼアなんだなと想像しやすくなると思います。
海外の香水のほうが、日本よりもわかりやすくフゼアを使っています。
なので、「外国人の男性がつけている香り=フゼア」と考えていただくのが一番わかりやすいと思います。
フゼアとは、植物のシダのことを言います。
1882年、フランスのウビガン(Houbigant)社から「フゼアロワイヤル」を発売。この香水がフゼアの名前の由来になりました。シプレの由来と同様に、実際にあった商品が香りの系統になりました。
系統ができるまでの背景が、シトラス系・フルーティー系などとは違っていて面白みを感じますね。
なぜ19世紀にフゼアの香りが流行したのでしょうか?
シダの流行元は、1840~1880年代にイギリス貴族たちがシダの栽培に励んでいたことと深く関わりがあります。
上流階級が農園を持っていて、そこで新しく品種改良したものが出来上がると、次は商業用にしていこうとする。実際にフゼアを使用した香水がヒットすると、上流階級の人たちが儲かります。ワインも、このように流行が始まったとされています。つまりは、フゼアの流行は上流階級の人たちが仕掛けた。とも考えられます。
「シダを栽培できるのが自分たちだけだったら、ボロ儲け!」
と考えていたかもしれませんね。
さて、ここまでの話はフゼアがどのようにして誕生したか。のお話でしたが、ここからはフゼアの香りについて、お話していきます。
フゼアというのは、「セクシーの中にもコクがある、シロップのような甘さ」を感じられる香り。
「セクシーの中にあるコク」には、合成香料のクマリンが効いています。クマリンとは桜餅の成分ともいわれている香料です。
フゼアの元のノートは、「ラベンダー」・「オークモス」・「ゼラニウム」と言われています。
実際に嗅いでみると、ラベンダーの印象が強いと感じるかもしれません。
ラベンダーと聞くと、植物にあまり詳しくなかったとしても想像しやすいと思います。
どちらかというと、紫っぽい感じ。セクシーな感じ。
そもそも、紫色がセクシーですよね。
ここまでで一度まとめると、「ラベンダーっぽく、紫っぽい。夜に映えそうなセクシーな香り。」となります。
どうでしょうか、フゼアというフレーズを聞いたとき、このように考えていただければ想像しやすくなると思います。
フゼアの香りをつけて家の中にいるのは、リラックス感はあまりない香りなので、合いません。
どちらかというと、外に飲みに行ったり、夜遊びに行くときにつけると良いと思います。
香りの系統として、重厚感であったり、重さを感じさせやすい香りです。ジャケットの外側などにつけてしまうと、香りを強く感じられやすい場合も。
なので洋服を着る前に、身体に1~2プッシュつけてから洋服を着ると、香りが直接的に伝わってきづらいです。洋服のワンクッションで香りの角が取れて、すごく良い印象になっていきやすいと思います。
フゼアの香りを纏う機会がございましたら、このつけ方を是非、実践してみてください。
フゼア系で、最も普及されていてわかりやすい香水
BLEU/CHANEL
ザ・フゼアを感じる。いい感じにマイルドに仕上げられているイメージ。使いやすい。