幼稚園から香りに触れていた、というフレグランスプロデューサー、石坂将。
香水業界に入って11年、数々のタレントや著名人とのコラボレーション企画を行い、日本フレグランス大賞を受賞した実績も持つ。
2012年に株式会社セントネーションズを設立し、香りでできることは、どんなことでも。と、精力的に香りと向き合い、プライベートブランドの立ち上げ、ファッションブランドやフラワーショップなどとのフレグランス製作、香りのワークショップなどを行う。
フレグランスプロデューサーとして活躍し、確立された存在となるまで。香りを仕事にすること、そしてこれからに迫った。
—レイヤードフレグランスのポップアップストアを新宿ルミネに出店されていましたね。反応はいかがでしたか?
石坂:今回の出店で、自分が思っている以上に知名度が上がっていることを感じました。使ってくださってる方がいたりもして、自信にも繋がったし、それと同時に、足りないことにも気付くことができました。
—足りないものとは、どのようなことでしたか。
石坂:販売促進の面では、まだ足りないなと感じました。ただ、うちの強みは、浮き出てきた弱い部分に、すぐ対応するところなので、今回も前進していく為の良い機会になったと思います。
—こうして日本発のフレグランスブランドを設立して、ポップアップストア出店というのもあまり例にないということは、よほどの活動があってこそですよね。
石坂:会社設立当初から取り組んでいたタレントとのコラボレーションによるフレグランスの製作が、今や当たり前になってきていますが、それと同じように、日本発のフレグランスブランドがポップアップストアを出店することも、当たり前になっていくと思います。フレグランス業界のなかで先陣をきって行動し、ビジネスモデルになっていることが、会社としての存在意義だと感じています。
—たくさんのラインアップのなかで意外だったり、おもしろかった反応ってありましたか。
石坂:今回のルミネエストの反応が、今までの売れ筋とまったく違ったことですね。Eコマース、ショップチャンネル、卸と、それぞれ売れ筋も違っています。
販売員の嗜好も伝わっていたりして、そこで人気になってくれる商品もあります。
自分も接客していたのですが、香りの好みって、自分一人で選んでいると偏ってしまったりするんです。
ただレイヤードフレグランスのラインアップは、根底では同じ感性を持って制作している、つながりのある商品です。
自分以外の視点で、商品を選んでみても、使い馴染むことができると考えています。接客しながらお話をして、普段自分では選ばないようなものを買ってくださる方が多かったのも良かったですね。
—今までフレグランスプロデューサーとしても、たくさんの商品に携わっておりますが、一番印象に残っている作品はありますか。
石坂:そういう風に設定していないのもありますが、僕は過去に興味がないので、あれがよかったな、とか、あれがどうだったなっていうのはありません。忙しくしている中で過去を咀嚼している時間がないのもありますが、次に向かっていくことしか見えていないですね。
—では、いつも大切だと思いますが、石坂さんにとって、香りが特に必要なシーンってどんな時ですか。
石坂:もちろんいつも、どんな時でも大切に思います。その中でも特に必要だと思っているのは、人と近付く時。
それから弱っていたり、疲れているときこそ香りが必要だと感じています。スパイラルにはまると香水をつけることを忘れてしまう。自信がなくなったり、チューンに入った時は強い香水を纏うことで調子が上がります。
—スポーツ選手が、香りを纏うことでいつもの調子を保つような感覚ですね。
石坂:そうです。験を担ぐようなものです。
—ちなみにその、「強い香水」とはどのようなものですか。
石坂:最近だとグルマン系の香水ですね。残香性が強くて、心を支えられるような感じです。
—手掛けるフレグランスはグルマン系が多かったりしますか?
石坂:今まではそんなに作ってきていなくて、元々はフルーティーな香りが多いです。シトラス、フルーティー、フローラルと、ニーズがあるのを感じているので、安心して手に取ってもらえる商品がいいと考えています。
シプレー、オリエンタル、グリーンと、香調が色々あって、海外では色々な香りを作るけど、僕は一貫してフルーティー、シトラス、フローラルを深堀りしています。その結果、海外の製品より強くなれると思います。
—では、海外への進出も視野にいれていますか。
石坂:はい。今年中に10カ国に出していく予定です。アメリカ、ヨーロッパ、アジアなどから初めて、来年には30カ国を目指しています。
—凄いですね。最初から海外進出を考えていたのですか。
石坂:最初は考えていなかったです。なので自然な流れで海外進出を迎えている現状から受け取っているメッセージがあって、ブランドをトータルで見たときに、プライスであったり、シトラスやフルーティだけでの構成は世界にもなく、オリジナリティがあると感じています。
あったらいいのに、というニーズに合わせて、世の中と一緒にクリエイションする感覚でいたら、こうなっていきました。
石坂:そういう風に設定していないのもありますが、僕は過去に興味がないので、あれがよかったな、とか、あれがどうだったなっていうのはありません。忙しくしている中で過去を咀嚼している時間がないのもありますが、次に向かっていくことしか見えていないですね。
—では、いつも大切だと思いますが、石坂さんにとって、香りが特に必要なシーンってどんな時ですか。
石坂:もちろんいつも、どんな時でも大切に思います。その中でも特に必要だと思っているのは、人と近付く時。
それから弱っていたり、疲れているときこそ香りが必要だと感じています。スパイラルにはまると香水をつけることを忘れてしまう。自信がなくなったり、チューンに入った時は強い香水を纏うことで調子が上がります。
—スポーツ選手が、香りを纏うことでいつもの調子を保つような感覚ですね。
石坂:そうです。験を担ぐようなものです。
—ちなみにその、「強い香水」とはどのようなものですか。
石坂:最近だとグルマン系の香水ですね。残香性が強くて、心を支えられるような感じです。
—手掛けるフレグランスはグルマン系が多かったりしますか?
石坂:今まではそんなに作ってきていなくて、元々はフルーティーな香りが多いです。シトラス、フルーティー、フローラルと、ニーズがあるのを感じているので、安心して手に取ってもらえる商品がいいと考えています。
シプレー、オリエンタル、グリーンと、香調が色々あって、海外では色々な香りを作るけど、僕は一貫してフルーティー、シトラス、フローラルを深堀りしています。その結果、海外の製品より強くなれると思います。
—では、海外への進出も視野にいれていますか。
石坂:はい。今年中に10カ国に出していく予定です。アメリカ、ヨーロッパ、アジアなどから初めて、来年には30カ国を目指しています。
—凄いですね。最初から海外進出を考えていたのですか。
石坂:最初は考えていなかったです。なので自然な流れで海外進出を迎えている現状から受け取っているメッセージがあって、ブランドをトータルで見たときに、プライスであったり、シトラスやフルーティだけでの構成は世界にもなく、オリジナリティがあると感じています。
あったらいいのに、というニーズに合わせて、世の中と一緒にクリエイションする感覚でいたら、こうなっていきました。
—石坂さんが、香水と触れ合った最初の思い出は何だったんですか。
石坂:始めて手にしたのは、幼稚園の年長の頃、兄が中学に上がった際にイギリスに留学して、お土産でくれたポーチュガルの香水が最初です。
—幼稚園の年長って、すごく小さい頃ですね。お兄さんは何かワケがあって買ってきたのでしょうか。
石坂:兄は、別に何も考えずに買ってきたと思います、それこそ土産買うの忘れたから自分の私物渡しとこう、くらいの。(笑)
ただ、ネロリの香りで、受け入れやすかったのもあって、イベントがあるときなどには、つけるようになっていました。
—実際今、香水業界に入って11年目になるということですが、業界に入ってすぐは、どういった印象を持ちましたか。
石坂:僕がこの業界に入った時は、憧れる存在や、こうなりたい、というのがなかったので、モチベーションを保つことが難しいと感じました。
フレグランスで会社を興しているところもなく、いつもフレグランスは何かの脇役で、そういった業界であることは残念に思いましたし、同時に、これも可能性だと感じて、この業界の顔になろうと思えました。
香りの持つ神秘性や、ロマンチックさ、発展性が描ける人がいなかったし、日本人とフレグランスの距離を感じていましたが、僕はもっとキザでもいいと思っていました。
ーレイヤードフレグランスというプライベートブランドを持つことは、会社を設立した時から念頭にはあったんですか?
石坂:ありました。ただ、OEMと、タレントのライセンスものが忙しくてできなかったですね。
ーそんな中、1年後にはブランドは立ち上げられているので、早いですよね。
石坂:そうですね。僕は開発は一日でスケッチをかけないといけないと思っているので、レイヤードフレグランスについても開発自体はそんなに時間はかかっていません。
—アイデアが常にある状態ってことですか。
石坂:アイデアのダムがあって、何かを始めようとするときには、それを解放して出せないといけない。自分がいくつもネタをもっていないといけないと思っています。
石坂:始めて手にしたのは、幼稚園の年長の頃、兄が中学に上がった際にイギリスに留学して、お土産でくれたポーチュガルの香水が最初です。
—幼稚園の年長って、すごく小さい頃ですね。お兄さんは何かワケがあって買ってきたのでしょうか。
石坂:兄は、別に何も考えずに買ってきたと思います、それこそ土産買うの忘れたから自分の私物渡しとこう、くらいの。(笑)
ただ、ネロリの香りで、受け入れやすかったのもあって、イベントがあるときなどには、つけるようになっていました。
—実際今、香水業界に入って11年目になるということですが、業界に入ってすぐは、どういった印象を持ちましたか。
石坂:僕がこの業界に入った時は、憧れる存在や、こうなりたい、というのがなかったので、モチベーションを保つことが難しいと感じました。
フレグランスで会社を興しているところもなく、いつもフレグランスは何かの脇役で、そういった業界であることは残念に思いましたし、同時に、これも可能性だと感じて、この業界の顔になろうと思えました。
香りの持つ神秘性や、ロマンチックさ、発展性が描ける人がいなかったし、日本人とフレグランスの距離を感じていましたが、僕はもっとキザでもいいと思っていました。
ーレイヤードフレグランスというプライベートブランドを持つことは、会社を設立した時から念頭にはあったんですか?
石坂:ありました。ただ、OEMと、タレントのライセンスものが忙しくてできなかったですね。
ーそんな中、1年後にはブランドは立ち上げられているので、早いですよね。
石坂:そうですね。僕は開発は一日でスケッチをかけないといけないと思っているので、レイヤードフレグランスについても開発自体はそんなに時間はかかっていません。
—アイデアが常にある状態ってことですか。
石坂:アイデアのダムがあって、何かを始めようとするときには、それを解放して出せないといけない。自分がいくつもネタをもっていないといけないと思っています。
ーでは、生活のなかで無意識に、頭に溜まっていくようなかんじですね。
石坂:そうですね、そういう環境を敷くことが大事だと思っています。例えばリキュールから着想を得たカクテルルームディフューザーを製作した際も、お酒と香りの関係性に気付いていて、赤ワインを好むひとは芳醇で、少し重たい香りが好きだったり、レモンサワーやジントニックを好む方は、軽やかな香りが好きだったり、という。
シャネルの「N°5」や、ニナリッチの「NINA」、などのフレグランスの香りを思わせるカクテルがあっても面白いな、とかそんな中で色んなアイデアを溜めていっていて、いざ開発となるとすぐに出てきます。
ー頭の中は一日中、仕事のことですね。
石坂:そうですね、仕事のことが多いですが、最近は残りの人生で、なにが出来るかについても考えるようになってきましたね。
石坂:そうですね、そういう環境を敷くことが大事だと思っています。例えばリキュールから着想を得たカクテルルームディフューザーを製作した際も、お酒と香りの関係性に気付いていて、赤ワインを好むひとは芳醇で、少し重たい香りが好きだったり、レモンサワーやジントニックを好む方は、軽やかな香りが好きだったり、という。
シャネルの「N°5」や、ニナリッチの「NINA」、などのフレグランスの香りを思わせるカクテルがあっても面白いな、とかそんな中で色んなアイデアを溜めていっていて、いざ開発となるとすぐに出てきます。
ー頭の中は一日中、仕事のことですね。
石坂:そうですね、仕事のことが多いですが、最近は残りの人生で、なにが出来るかについても考えるようになってきましたね。
ーでは近い将来、香りを交えてやってみたいことってありますか。
石坂:ファッションフレグランスや、ライフスタイル、ファビュラスなことは今後もやっていくつもりですが、レイヤードフレグランスを僕が設立したように、2代目のプロデューサーを生むこともしたいと思っています。
それからは教育ですね。嗅覚の訓練を、幼児や高齢者向けにやっていきたいと思っています。
嗅覚は脳が活性化するのを感じていて、アルツハイマーの予防だったり、幼児への嗅覚の教育を形にしたいです。
ーどちらも興味深いですね。幼児向けというのは、香りの感じ方にも何か印象に残る出来事があったんですか。
石坂:子供に限らずですが、「鼻が利く」という言葉がそのまま表しているように、嗅覚がいい人って、直感力に長けているなと感じていて。見えないところに転がっている情報を拾って、そこから違いを感じ取れるっていうのは大きいと思うんです。子供の頃からそういった訓練をするのって、貴重なものだなと。
—香育に目を向けているのですね。
石坂:実は会社を設立した時に目指したのが、セントエデュケーションで、これをすると、ファッション以外の視点で色んなことができて面白いんです。世界的に有名な調香師にもできないことを、自分ならできるんじゃないかと思います。
—香りの業界に興味がある人たちにとって、とても良いインタビュー記事になると思います。今日はありがとうございました。
石坂:ありがとうございました。
多岐に渡って活動し、まだ日本では成熟していないフレグランス業界の中で、海外でも例にみないアクションを起こし、常に前向きな姿が印象的であった。
これからの活動、フレグランス業界の動きにも、目が離せない。
現在、6月11日まで、新宿ルミネエストB1にてレイヤードフレグランスはポップアップストアを出店中。
さらに、6月14日から7月18日まで、横浜マルイシティでのポップアップストアも予定している。
石坂:ファッションフレグランスや、ライフスタイル、ファビュラスなことは今後もやっていくつもりですが、レイヤードフレグランスを僕が設立したように、2代目のプロデューサーを生むこともしたいと思っています。
それからは教育ですね。嗅覚の訓練を、幼児や高齢者向けにやっていきたいと思っています。
嗅覚は脳が活性化するのを感じていて、アルツハイマーの予防だったり、幼児への嗅覚の教育を形にしたいです。
ーどちらも興味深いですね。幼児向けというのは、香りの感じ方にも何か印象に残る出来事があったんですか。
石坂:子供に限らずですが、「鼻が利く」という言葉がそのまま表しているように、嗅覚がいい人って、直感力に長けているなと感じていて。見えないところに転がっている情報を拾って、そこから違いを感じ取れるっていうのは大きいと思うんです。子供の頃からそういった訓練をするのって、貴重なものだなと。
—香育に目を向けているのですね。
石坂:実は会社を設立した時に目指したのが、セントエデュケーションで、これをすると、ファッション以外の視点で色んなことができて面白いんです。世界的に有名な調香師にもできないことを、自分ならできるんじゃないかと思います。
—香りの業界に興味がある人たちにとって、とても良いインタビュー記事になると思います。今日はありがとうございました。
石坂:ありがとうございました。
多岐に渡って活動し、まだ日本では成熟していないフレグランス業界の中で、海外でも例にみないアクションを起こし、常に前向きな姿が印象的であった。
これからの活動、フレグランス業界の動きにも、目が離せない。
現在、6月11日まで、新宿ルミネエストB1にてレイヤードフレグランスはポップアップストアを出店中。
さらに、6月14日から7月18日まで、横浜マルイシティでのポップアップストアも予定している。