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COLUMN

夏を感じさせる「香水の中の太陽」

2023.08.08

Scentpedia編集部

花や葉の美しさに欠かせない日光は、最近の香水の中で最も人気のあるテーマの一つとなっています。
このことを考えた時、私はどのように一部の香水が、特定のノートを使用して輝き、温かさや心地よさを生み出しているのかという仮説を立てました。

多くの方々は、太陽をテーマにした香水のコンセプトは最近のものだと思うかもしれませんが、1990年代初頭に既にいくつかの香水が、熱帯地域のコンセプトに着想を得て、太陽や日光のイメージだけでなく、砂浜などとの官能性を香水で表現していました。
例えば、エリザベス・アーデンの「Sunflowers」(1993)はメロン、オレンジの花、ジャスミンのノートを持ち、ディオールの「DUNE」(1991)は温かい砂とアルデヒドのノートを通して太陽とその温かさを表現しています。

他にも、夏によく似合うもう一つの熱帯的な香水として、ゲランの「Terracotta Le Parfum」(2014)があります。
ティアレとココナッツのラクトンブレンドが、ジャスミンの白っぽさのあるノートに優しさのある香りを加えて、イランイランのデリケートなニュアンスを引き立て、そこにマイルドなバニラのノートと白いムスクの柔らかさが混ざり合い、海辺やサンオイルを想像させるような、包み込むような中毒性のある香りを生み出します。

この太陽や熱帯地域をテーマに先駆けた香水は、10年以上注目されていませんでしたが、過去5年間でこの香りが香水業界から再び注目を浴び、復活しました。
今日では、香料の抽出と香りの捕捉技術などの進歩により、誰もが以前は考えられなかったコードに挑戦できるようになっています。

キャビアや塩、そして「solar notes(ソーラーノート、太陽のノート)」と呼ばれるものが、明るく温かい作品の魅力をさらに引き出しています。
alien eau sublime(エイリアン オー サブリーム)、 Essential Ato Masculino Natura(ナチュラ エッセンシャル アト マスキュリーノ)、A Drop DIssey(ア ドロップ ディッセイ)などは、ソーラーノートと白い花々の香りのバランスが絶妙に肌を包み込み、美しい夏の陽が地平線に触れる瞬間や、海辺で日光浴をしているような感覚を表現しています。

太陽を感じさせるような香りのコードは、実際に熱と光の最も良い表現方法の一つであり、暖かさから新鮮さ、デリケートさから包み込まれるような優しさまで、わずかに湿った感じとほんのり塩っぽさをもつ香りが、香るたびに海風を感じるような雰囲気を演出します。
異なる香りが絶妙に調和し、太陽を感じさせる、夏にぴったりな香水があるという事を知らずに何年も過ごしたことに驚かされるほど、ソーラーノートの香水は素敵な香りを作り出します。

皆さんは、太陽の光を肌や香りで感じられるような、太陽や熱帯地域をテーマにした香水をお持ちですか?

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