なんとなく素通りしているわかりづらい香調、シプレ。
シプレと聞いてどんな香を想像しますか?
なんとなくちょっと小粋な感じで、パッとは想像できない香りだと思います。
しかし、香水の中ではシプレはかなり頻繁に飛び交うフレーズ。
音楽にジャンルがあるように、香りにもジャンルがあります。
例えばシトラスノート、柑橘系の香りですね。
他にも、フルーティー・フローラル。
シプレもそれらジャンル分けをするにあったて使用されるフレーズの中の一つです。
シプレの語源には、キプロス(国)との繋がりがあります。
キプロスとは、地中海に浮かぶ一つの国であり、ヨーロッパから見たキプロスは、トルコとギリシャのちょうど中間あたりに位置するので、異国情緒を感じる場所となっていました。
シプレとは、
「オークモス」と「ベルガモット」などがベースの香りとして構成されやすい香りです。
オークモスのオークとは、樫の木。モスとは、苔という意味です。
この時点で、ほぼよくわからなくなってきますよね..
香りの世界では、「フレーズを覚える」というよりも、その香りを嗅いだ時に、香りの特徴をつかむことが重要になってきます。
・ベルガモット
柑橘系のさわやかな香り。
・苔
森林の中のスカッとしない、霧が借るようなミステリアスな雰囲気の香り。
・樫の木
森に漂うような香り。
シプレとは、このような香りが混ざり合い、作り出されています。
イメージとしては、森林に漂うミステリアスな雰囲気の中に、柑橘の爽やかさが入ってくるような香り。
1917年に、COTY社からシプレの香水が発売されました。
香りの特徴としては、クラシカルで格調高い重厚感のある香り。
しかし、これだけではどんな香りなのかわかりにくく、ストンとは入ってきませんよね。
そんな時は、他の香りと比較するとわかりやすくなります。
例えば、シトラス系・フルーティー系には、クラシカルで格調高い重厚感のある香りは無いです。
しかし、フローラル系・ウッディ系にはあるかもしれない。
このように、他の香調と比較することによって、クラシカルで格調高い重厚感のある香りが、どのような香りなのか想像しやすくなります。
クラシカルな香りで軽い香りはあまり存在しません。
「クラシカルで格調高い重厚感のある香り」
と聞いたときに、なんとなくクラシックなんだなと思っていただきたいです。
繰り返しですが、シプレとはとても説明が難しい香りです。
ただ、簡潔に説明をするならば、「ベルガモット」が含まれているので柑橘の存在感はほのかにあり、その上でクラシックな服装によく似合うような、由緒正しい雰囲気がある。
肌残りを凄く良く感じさせてくれるような、クラシカルで格調高い重厚感のある香りはあるけれども決して重すぎない香り。
例えると、森の中でブランデーを飲みながらオレンジをかじっているような香りです。
どうでしょうか、このコラムを読んでシプレの香りを感じていただけましたか?
シプレを香る機会がありましたら、是非この記事を思い出して「クラシカルで格調高い重厚感のある香り」を体験してみてください。
シプレの代表的な香水
・ココ マドモアゼル/シャネル
クラシカルで格調高い重厚感のある香りを持っていながらも、同時に少し抜けていくような爽やかさや軽さも併せ持つ香り。