突然ですが皆さんは、「天然香料」と「合成香料」を比較したとき、どちらの香料が安全性が高いと考えますか?
合成と天然だったら、天然のほうが安全性は高そう..と考える方が多いのではないでしょうか。
しかし、「天然香料」が「合成香料」と比較して、安全性が高いというわけでは必ずしもないようです。
では実際はどうなのか、少し具体的にお話していきます。
天然香料とは、自然に自生している動植物から採取された香料のことを指します。自然から採れたものである以上、栽培地の土壌汚染などの情報も分からないことも多く、天然の精油に含まれる不純物の混入量までは、なかなか明らかにされていないのが現状です。そのため、安全性を確保することが難しいです。
その品質を安定させるために、危険とされる部分を排除して作成されたのが、「合成香料」の始まりです。
そして、合成香料とは近代的な手法で合成されその分子の純度も高く、例え不純物がある場合でも、その混入量なども明らかになっています。そのため、天然香料と合成香料では、合成香料のほうが「安全性が高い」とされています。
そんな合成香料の例としては、「ジャスミン」「ベルガモット」「ガーデニアベース」「ハイドロシトレナール」(いわゆる一般的なローズの合成香料)「シベット(動物)ベース」「シプレ」(いわゆるフローラルノート)などが挙げられ、つまるところ現在商品化されている香りのほとんどは合成香料を原料として成り立っているのです。また、少し難しいのですが、ローズ・ジャスミンなどの天然香料は、約200種類程の化学成分から成り立っており、それらを1つずつ抽出していくと合成香料になります。つまり、天然香料から成分の一部を抽出したものが合成香料になっている場合が多いです。
他にも、安価に合成香料を作成する方法として、石油などから抽出した成分で香料を作成することもあり、安価であり品質も安定しているのが特徴的です。もちろん、製品として使用される際には人体への安全性も厳重にチェックされているので安心して使用できます。
結論、合成香料を作る際に天然香料をもとに作成されることもあるので、天然・合成の香料だから、確実に安全という事は言い切れないという事が分かります。
しかし、天然香料はその名の通り、自然に自生している動植物から採取された香料なので、合成的に作り出された香料に比べ、天然の香料に含まれる不純物が多くなる事から、合成香料のほうが比較的「安全性が高い」という事になります。
これらの理由から、香料における安全性の定義は難しいところでもあります。
今回は、あまり知られていない香料の安全性についてお話ししましたが、どうでしたか?香料の安全性について知ると、香水の価格帯についての理解も深まるので楽しいですよね。
皆さんのお気に入りの香りが、合成香料なのか、天然香料なのか調べてみると、香りの世界をいつもとは違う角度で楽しむことができるかもしれませんね。