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調香師とは

2023.05.24

Scentpedia編集部

みなさんは、「調香師」という職業を知っていますか?
その名の通り、香料を調合して香りを作り出す知識・技術を持つスペシャリストのことを言います。主に化粧品やフレグランス、トイレタリーや洗剤などの「香り」を調合する職業です。数十種類にも及ぶ香料を組み合わせ、新しい香りを生み出し、消費者に届けるのが主な仕事内容です。
特に香水、フレグランスを調合する人を「パフューマー」と呼びます。

では、具体的に有名な調香師の名を挙げて、「調香師」の世界をのぞいていこうと思います。

香水業界では「世界三大調香師」と呼ばれる、3名の調香師が存在することを知っていますか?
一人目が、ジャック・キャヴァリエ。二人目は、ソフィア・グロスマン。そして最後、三人目が、ジャック・ポルジュという世界三大調香師が存在します。
三人の調香師たちの歴史をご紹介します。

初めにご紹介するのは、ジャック・キャヴァリエです。
ジャック・キャヴァリエは、1992年に「ロードゥ イッセイ」によるオゾンノートの創造をした人として名が知れています。さらに、2012年にはルイ・ヴィトンの専属調香師になったことで、より有名な調香師として活躍しました。
次にご紹介するのは、ソフィア・グロスマンです。
1970年代にダウニーエイプリルフレッシュなどの柔軟剤や石鹼の芳香をはじめ、1978年にエスティーローダーのために調香した「ホワイトリネン」や、1983年にはイヴ・サンローランの「パリ」、1985年にエスティローダーの「ビューティフル」、1990年にはランコムの「トレゾア」と、立て続けにヒット作を生み出し、すべての香りの中にローズを入れていたことから、一躍「バラの女王」呼ばれるほどの人気調香師の仲間入りを果たし、大活躍しました。
最後にご紹介するのは、ジャック・ポルジュです。
1978年から2015年まで、シャネルの専属調香師として、1984年に発売した「ココ」を皮切りに、「エゴイスト」、「アリュール」、「ココ マドモアゼル」を生み出し、2003年にはミレニアム世代(1981年から1996年頃に生まれた世代の呼称)の獲得に成功した「チャンス」を想像したとして有名です。2007年にはシャネルのプレステージ・コレクションとして「レ ゼクスクルジフ ドゥ シャネル」をスタート。2010年には11年ぶりのメンズ・フレグランス「ブルー ドゥ シャネル」を大ヒットさせ、活躍しました。

みなさんが耳にしたことがある調香師はいましたか?
紹介した調香師が作り上げた香水の存在は知っている、もしくは使ったことがある。という方は多いと思いますが、ではそれを誰が作ったのか?と聞かれても、答えられない方が多いと思います。
「調香師」とは、香水を作るうえで必要不可欠な存在です。ですが、表立ってとても有名な調香師、または「調香師」に注目する人は少ないのかもしれませんね。

では、調香師とは具体的にどのようなことをする人なのでしょうか?
簡単にお話しします。

以前までは、香水を作り出すうえでいくつかのルールのようなものがありました。
例えば、1つの香水について基本の原料、TOPはベルガモットでMIDDLEはジャスミン。というふうに企画して調香するという一連の工程全てを、一人の調香師が手掛けていました。前述のとおり、クリスチャン ディオールにはこの調香師、シャネルにはこの調香師。というように、決まった1人の調香師がいました。ですが、現在ではやや事情が異なり、多くの大手香料メーカーでは、作業の効率化をめざした「分業化」が進んでいます。1つの香水に対して、TOP、MIDDLE、LASTとそれぞれに調香する調香師が異なっているため、なかなか1つの商品に対して「ワンストップで全ての工程を手掛ける」という事が難しくなっているのが現状です。

分業化が進んだことにより、調香師にとっては、手掛けた商品が世に出るまでに、これまで以上に様々な工程や、人の手を経て作り出されることになりました。そのため、調香師に必要とされるスキルも調香の技術のみに限定されず、コミュニケーション力や情報伝達力なども必要とされるようになりました。

このような香水業界の分業化の流れによって、求められるようになった職業があります。
それは、「フレグランスプロデューサー」という職業です。
この職業は、香水流通の全てをクリエイションする役割を担っていて、小売企業や企画会社などに所属し、個人または企業に対してイメージや好み、シーンに適した香りを提案する仕事とされています。

いかがでしたでしょうか。
私たちが普段手に取り、身に纏っている香水が、世に出されるまでの物語をを知ると、これまでよりもっと「香水」の存在が愛おしく感じませんか?

今回は、「調香師」という職業に注目してご紹介しましたが、今後、「フレグランスプロデューサー」についても詳しくCOLUMNでお話していければと思っていますので、是非ご一読ください。

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