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【インタビュー】フレグランスクリエイター・石田奈緒が手掛けた”長く愛される女性”のためのブランド「トーキョーランデヴー」。その想いとは?

2017.06.19

Scentpedia編集部

フレグランスブランド「トウキョウランデブー(tokyo rendezvous)」がローンチされた。
コンセプトは、たった一人の大切な男性に、長く愛される女性のためのフレグランスブランド。
今回、制作にあたっての想いや、トウキョウランデブーの纏い方、モテる香りについてを徹底的に訊くことができた。

ーこの度は、「tokyo rendezvous」の発売、おめでとうございます。

石田:ありがとうございます。

ー今回トウキョウランデヴーをプロデュースするにあたって、なぜ「モテ」に特化したフレグランスに着目したのでしょうか。

石田:男性って、女性がデートのために頑張ったメイクやネイルに意外と鈍感だったりするんですよね。でも香りなら、無意識に本能や感覚で反応してしまうので、最も効果的なアプローチだと思います。なおかつ「香り」「脳」「記憶」「欲求」この4つは切っても切り離せない関係なんです!今回この香水を作る上で最初にテーマになったのが、”目的ありきの香水”でした。香水をつける目的ってなんだろう?と考えた時に、知り合いに言われた、「香水はモテなきゃつける意味がない!」という言葉が浮かんで。ただその言葉をくれた方は男性で、女性の香水でこのキャッチコピーは全然ロマンチックじゃないなって思って!(笑)男性は不特定多数の女性にモテることがステータスみたいなところあるけれど、女性はたった一人、特別な男性に永遠に愛されたいという願望が強いからだと思うんです。だからこの香りのストーリーの登場人物は「私と彼」の2人だけにして、「彼に会う」という目的のための香水が誕生しました。

―3種類の香りについて簡単に説明して頂けますか。

石田:今回はカカオ、ココナッツ、ムスクを主軸に3つの香りを作りました。カカオを選んだのは、カカオの香気成分には恋愛物質と呼ばれる恋をしている時に脳で分泌されるホルモンと同様の物質が含まれていて、中毒性があり、女性を最もセクシーな気分にさせる香りなんです!チョコレートを口の中で溶かすとキスよりも高い快感を感じることができると言われるほどに。だからカカオの香りを絶対に入れようと決めていました。
ただ、カカオを入れるとどうしても子供っぽいというか、お菓子っぽい印象が強く出すぎてしまい、一番苦労した香りでもあります。
「ムーンシャドウカカオ」は、とっても複雑な組み合わせで創られた香りで、タバコの香りやレザーノート、ローズなどの香りもありながら、ビターカカオの香りがアクセントになって、今までにない奥深い存在感を出しているんです。ラストまで濃厚で、体温を感じさせる温かい甘さです。

次にココナッツは、街で黒人女性のつけているココナッツの香りを嗅ぐと、絶対振り返ってしまうし、その後もその匂いがずっと鼻に残っている印象的で。
でも日本人にはちょっとキツすぎるかなと、ずっと日本人でもつけられるココナッツの香水を作りたいと思っていました。
「トウキョウムード ココナッツ」は、グリーンとイチジクの開放的なノートから、ココナッツの香りに移っていきます。ラストにはムスクやサンダルウッドが香りますが、ユニークでファッショナブルな甘さが、セクシーな香りです。

最後にムスクは私が今まで使った香水の中で男性にも女性にも評判が良い香りだったから。「私=ムスク&バニラで甘い」というイメージが私を知る人の中では定着していて、ムスクの香りをラインナップに入れるのは当たり前という感じで決まりました。
「スウィートスカイムスク」は、ホワイトムスクとバニラの香りが主体なのですが、イランイランやジャスミンの香りも、しっとりした吐息のように甘く柔らかい香りです。女性らしさもあって、グルマン系のビギナーにはこのあたりから馴染んでもらえるといいのではないでしょうか。
関連記事:
(モテと香りN°11チョコで性欲を誘う)http://scentpedia.co.jp/column/detail/224
左から、スウィートスカイムスク、トーキョームードココナッツ、ムーンシャドウカカオ。
―全て「グルマン香水」ということで、珍しいラインアップですが、それにはなにかワケがあったんでしょうか。

石田:一番こだわったのは「甘くて美味しそうな香り」を作りだすことでした。市場ではフルーティフローラルの香水が多い中で、私が「グルマン主義」にこだわったのは、記憶に残る、心に訴える、「グッとくる香り」にしたかったからです。その香りを嗅いだ瞬間に電流のように衝撃が走り、ドキドキしてしまうような香水を作りたかった。
最初にお話しした「香り」「脳」「記憶」「欲求」の関係性をここで少し説明すると、「甘くて美味しそうな香り」は、男性に子供時代を思い起こさせて、安心感を与え、優しい気持ちにさせることができます。その上で香気が性欲に繋がる脳の一部を刺激し、感情的な強い欲求を起こさせることができるんです!なのでフレグランスブランドでは珍しいケースですが、グルマン主義で一貫して展開していきます。

ー甘い香りで男性の本能に訴えかけるというのは、それぞれの成分に秘密があるのですか。

石田:カカオ、ムスク、バニラ、イランイランを使ったりすることで、いわゆる香りによる官能性を高めることもそうですが、それだけではなく、オスモフェリンというフェロモン物質を配合しています。これを入れることで香りが付くわけではないのですが、それを嗅覚で本能的に感じることができます。オスモフェリンとは女性が一月の中で一番美しく見える時期に創り出される物質で、これを男性が感じることで、男性ホルモンが活性化されて、気持ちが昂る効果があるとされているんです。

―すごい物質ですね。実際にその物質の効果を感じたことってありますか?

石田:自分の誕生日に友人が集まってお祝いをしてくれて、その時にムーンシャドウカカオの香りをつけていたのですが、ある人にずっとハグしていたくなる、と言われました(笑)
これはおそらくオスモフェリンの効果ではないかと思います(笑)

―この物質の効果はとても期待できそうですね。これらのフレグランスのおすすめの使い方を是非教えてください。

石田:寝起きのちょっと隙のあるようなシーンには「スウィートスカイムスク」で甘く、ピュアな印象を持たせるのがいいかなと思います。
重ね付けには、「スウィートスカイムスク」を上半身に「トーキョームードココナッツ」を足首に少し合わせることで、ムスクとバニラの甘さにココナッツが寄り添って、こちらも深みのある香りが楽しめます。ナイトタイムには「ムーンシャドウカカオ」のような香りをとびきりセクシーなランジェリーを身につけて、ドレスアップして纏うのもエレガントですね。

―色んなシーンで使い分けできるのは魅力的ですね。ちなみにモテる女性って、どのような女性だと思いますか。

石田:個人的には、笑ったり、照れたり、泣いたり、怒ったり・・・コロコロと表情を変える女性ってすごく魅力的で、素敵だなと思います。
逆にいくら美人でも表情がずっと変わらない女性はあまりモテないんじゃないかな?
男性も急に見せるあどけない笑顔やふとした瞬間の少し気だるい表情とか、女性のちょっとした変化を見つけるのが好きな人多い気がします。
一緒にいて飽きない、この子とずっと一緒にいたいと思われる女性がモテる女性と言えるのではないでしょうか。
それと同じように、嗅覚は五感のなかでも最も順応しやすい感覚で、ずっと同じ香りでは、次第に何も感じなくなってしまいます。
だから、トウキョウランデヴーは1つの香水の中でも「香りの表情」が変化するように意識して作りました。
スウィートスカイでは「純粋さと色気」、トーキョウムードでは「ダイナミックとミステリアス」、ムーンシャドウでは「気品と情熱」、といった感じに。
また2つの香水を重ね付けしたり、時間帯によって香りに変化をつけて、誘惑効果をあげることも、簡単にできるテクニックの一つなのではと思います。

—重ね付けの提案として、イラストを交えた提案が印象的ですよね。写真ではなく、あえてイラストでビジュアルを作成したのはどうしてですか。

石田:
イラストにしたのは、今世界的な漫画、アニメブームだからというのも一つの理由です。WEBページを見た時に漫画を読む感覚で楽しんで頂ければと思い、イラストレーターに依頼して書いてもらいました。
今後海外展開を考えているので、全世界の人の心にキャッチーなインパクトを与えられたらと思います。

また、私の頭の中でシュチュエーションや「私と彼」の構図みたいなものがはっきりしていたので、アリポジじゃなくて、オリジナルのイラストや写真で表現したいというのがありました。写真でもよかったのですが、お金と時間がかかってしまい、まずは香水自体にお金をかけたかったので、イラストで表現することにしました。ただ今後、ブランドが軌道に乗ってきたら、実際にイメージにあったモデルとカメラマン、ロケーションを用意して撮影をしたいと思っています。できたらムービーも撮って、トウキョウランデブーの個展を開くのが目標です!



―甘い香りを使う自信がないけれど、魅了する香りを試したい!という方にはどういった楽しみ方がおすすめですか。

石田:湯船に浸かるときに、少し香りを試してみる感覚で、ほんの少し湯船にプッシュしてみてはどうかなと思います。最初はそういった空間の状態で体につけることを楽しんで、慣れ親しんでみたり、香りをひととき楽しんでみたりとかっていうのもいいんじゃないかなと。
そしたら実際外に出るときに、今日はつけてみようかなという気になってくれるといいですね。

―なるほど。どういった方達にこれらのフレグランスを楽しんでほしいですか。

石田:あらゆる年代の恋する女性につけて頂きたいです!!
ブランドのタイトルにもある、「ランデヴー」はフランス語で「時間と場所を決めて男女が出会う」という意味があり、「彼に会う」という目的でつけるこの香水にぴったりな言葉だと思いました。実は他にも「宇宙船同士が宇宙空間で接近する事」を意味し、今は特定の彼がいない方にも、未来に起こる運命的でドラマティックな出会いをイメージして頂けるのではないでしょうか?東京という空間は、そこを漂う私たちにとっての宇宙とも言え、そこから時代を超えたロマンスやファンタジーを与えてくれるような気がします。トウキョウで生きる、もしくはトウキョウを旅する女性たちの「今」を上質に、そして刹那的に演出するフレグランスを製作できたら、、、そんな思いでこのブランドをスタートしました。この「グルマン主義」の香りたちを選んでくれた全ての女性達に素敵なロマンスが訪れることを願っています。



現在、トウキョウランデブー全三種は、ネットにて販売中。
甘く官能的な香りで、とびきり幸せな恋を掴んでみては。

試作段階のサンプル品

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