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春は明るく“ツヤっぽい”香りで好印象を与えて。パルファム ソムリエールが指南する、春先にまといたいフレグランス

2018.03.19

Scentpedia編集部

ブルーベル・ジャパン独自の資格 パルファム ソムリエール。今日は松屋銀座に勤めるパルファム ソムリエール 加藤 香奈恵さんに、出会いの季節に向けた香り選びのコツや、春先にまといたくなるフレグランスを紹介して頂くことができた。第一印象をアップさせるフレグランスのまとい方を中心に、これからフレグランスを使いたい方にも必読だ。


ー今回は春のフレグランスがテーマですが、暖かくなるにつれてお客様に変化はありましたか。

加藤 香奈恵さん(以下、加藤):ファッションでは厚手の生地のマフラーから軽やかな素材のストールに変わっていくのと同じように、「香りも春らしさのある優しい香りをまといたい」という方が増えました。


ー松屋銀座ならではのお客様の特徴はありますか。

加藤:ファッションブランドのフレグランスでは、イッセイミヤケやナルシソ ロドリゲスが人気があり、私がこれまで勤務してきた店舗とは違った特徴でしたね。イッセイミヤケのフレグランスは、長年ご愛用頂いているお客様も多いです。

メゾンフレグランスでは、アニック グタールの「プチシェリー」が人気です。6種類の天然のローズエッセンスを使った「ローズ アプソリュ」の香りも、ご紹介すると反応が良いですね。


ー銀座という土地柄もあって、インバウンドのお客様も多いのではないでしょうか。

加藤:多いですね。中国人のお客様は通訳の方と一緒に来店されるのですが、ご自身で色々試したり、私たちと話しながら選びたいという方も多く、香り選びを楽しんでいらっしゃる姿が見受けられます。アジアの方は、ディープな香りよりもライトな香りの方が反応が良く、日本人に近い感覚をお持ちだと思います。


ー「明るい」気分になれるような香りというのは、具体的にどういった香調のものだと考えられますか。

加藤:みずみずしいフレッシュフローラルや、ジューシーなフローラルフルーティの香りがいいと思います。春らしい香りと言えば、季節の花であるライラックやマグノリアの花の香りは、風と一緒に香りが運ばれるイメージで、春を感じさせますね。軽やかさと、高揚感を与えるような優しい甘さがあって、今の季節におすすめです。


ー加藤さん自身が使う、春にまといたくなるフレグランスをいくつか教えてください。

加藤:私はお花の香りが好きなので、明るくて気分を高められるようなフローラルの香りを使っています。ボンド・ナンバーナイン 「チェルシー フラワー オードパルファム」は、目の前にブーケをプレゼントされたような香りで、とても好きなフレグランスです。小春日和の穏やかな日や、休日にまといたくなります。アニック グタール「ローズ ポンポン オードトワレ」は、元気になるフレグランスで、大人の女性でも気分がとても上がるんです。「スキップしたくなる香りですよね」というような会話をすると、「大人になるとスキップするようなことなんてないものね」というお話にはなるのですが(笑)、まるで香りでスキップできるような明るさがあります。ランバン「エクラ・ドゥ・アルページュ オードパルファム」は、発売当初からずっと人気の香りで、口コミサイトでも殿堂入りしているフレグランスなので、ご存知の方も多いのですが、私がブルーベル・ジャパンに入社した年に発売されて衝撃を受けた、すごく思い入れのある香りです。発売は15年前ですが、流行りに左右されることがなく、世代を超えてまとえる特別なフレグランスですし、私自身、プライベートでも使っています。この3種は、この季節になるとお客様にも必ずおすすめしているフレグランスなのですが、こういったエピソードを交えながら、実際にご紹介しています。

ー出会いの季節に向けて、初めて香水を使う方に向けて香り選びのポイントを教えてください。

加藤:女性であれば優しく香ることで清楚な印象を与えるフローラルの香り、男性であれば清潔感を感じさせるグリーンの香りやフレッシュな香りですね。男女問わず、シトラス系の香りも良いですね。春は出会いが多く、恋が生まれやすいので、まずはソフトな印象の香りからとり入れると良いと思います。


ー好きな香りを言葉にして伝えても、実際にそのイメージの香りとではギャップがあったりして、香りは試さないとわからないことの方が多いですよね。

加藤:つけてみたら全然違ったというのはよくあります。店頭でお話をしていて、好みのイメージでフレグランスをご紹介しても、「少し違うかも」という反応から、「最終的にこれが良い!」となった時には、全然違った香りになられる方もいらっしゃるんですね。甘い香りが好みと伺って、甘い香りをご紹介していてもしっくりこないため、最終的には全然違ったフレッシュな香りを選ばれたりということも多いです。お客様にとっても「思っているものと違うものね」という新しい発見をしてくださって「また来るね」と言って頂けると嬉しいですね。


ー香りを洋服に直接まとうことに関して、強く感じやすくなるという意見もあるのですが、洋服に香りをまとうことは間違いでもあるのでしょうか。

加藤:仕事上香りをまとうことができなかったり、お肌に香水をつけられない方もいらっしゃるので、間違いとはお伝えしていないです。お洋服であればジャケットの内側だったり、マフラーにつけることで、動いた時に空間で香りを楽しむ方法もあります。ただ、フレグランスのジュース自体に色がついているものは、衣服がシミになってしまったりもするので、注意が必要です。お洋服は体温がないため、香りがこもってしまう可能性があるので、最初はワンプッシュのみで香り方を試して頂いて、物足りなさを感じる場合は違ったアイテムに香りをつけて頂くのが良いですね。


ーボディクリームやボディローションなどとの組み合わせで注意やおすすめの使い方について聞かせてください。

加藤:顔以外は全身使えるといっても、全身に使ってしまうと香りが強く感じられる場合もあるので、膝から下、肘から下など部分的につけて頂くのが良いかと思います。フレグランスと重ねて使用すると、香りを長持ちさせることができます。夜はボディクリームだけでマッサージしながらリラックスしたり、デートなどで1日お出かけする際には、フレグランスとボディアイテムの2つを使うことで立体感のある香りを長時間楽しめますし、少し外出するような場合には、香水だけをまとうなど、気分や時間帯、ライフスタイルに合わせて、3パターンで香りを楽しめます、とご紹介しています。

ー柔軟剤の香りと香水ってどちらの香りも主張があってどうしたらいいのかわからない、という声をよく頂くのですが、2つの組み合わせをどのようにするのが良いのでしょうか。

加藤:全く違った香りを使ってしまうと、やはりお互いの香りが喧嘩し合うので、似たような香りを組み合わせると良いと思います。フローラルの柔軟剤に対して、グルマン系のフレグランスだと合わない可能性もあります。柔軟剤は、お洋服を柔らかくする為のものとして、量を減らして頂くことで、フレグランスを合わせて使うことができると思います。


ー最近発売された香水から、トレンドを感じさせる要素となるような共通点があれば教えてください。

加藤:共通するのは、パステルカラーかなと思います。ボトルのデザインやフレグランスのジュースの色だったり、パステルカラーを連想させる香りが使用されていますし、トレンドカラーとしてもパステルのパープルがあげられていますよね。


ー第一印象を良くするために効果的な香水のまとい方を教えてください。

加藤:香りは、下から上に立ち上っていきますので、ウエストよりも下の両足首などにまとうのが良いと思います。例えば、足首にワンプッシュずつ、ウエストにワンプッシュの合計3プッシュが、鼻に届いた時には優しく香り、一番理想的な香り方ですね。「それって本当に香るの?」という方もいらっしゃるのですが、きちんと香ります。ただ、まとってすぐに香りを感じたい方には、ウエストと、肘の内側にワンプッシュずつ、というのもおすすめです。

出会いの季節にまといたい。高揚感を与える、“ツヤっぽい”フレグランス
レディスフレグランス
写真左:ペンハリガン「ルナ オードトワレ」 写真右:ブルガリ「ブルガリ スプレンディダ マグノリア センシュアル オードパルファム」

ペンハリガン「ルナ オードトワレ」

月の女神がコンセプトになっているので、神秘的で輝きがあり、いまの時期に女性にまとって頂けると素敵な出会いがあるのではないかなと思います。


ブルガリ「ブルガリ スプレンディダ マグノリア センシュアル オードパルファム」

マグノリアの存在感があり、ビロードのようななめらかさが女性らしさと、春らしさもあって、まとった時に、美しい存在感を残してくれます。ツヤっぽく感じさせることができるので、それが素敵な出会いにも繋がるのかなと思います。

メンズフレグランス
写真左: クリード オードパルファム アバントゥス 写真右:クリード オードパルファム シルバー マウンテン ウォーター

 クリード オードパルファム アバントゥス

私の中での男性の艶っぽさというのは、冬はセクシーなイメージと近いのですが、今の季節だと、優しい包容力を想いうかべます。この香りはパイナップルのフレッシュな香りから変化して行って、すごく穏やかで包み込むような優しさや余裕のある印象が女性を引き寄せるのかなと思います。包容力のあるかっこいい香りとしてご紹介すると、「この香りはモテるよね」と言って頂けます。


クリード オードパルファム シルバー マウンテン ウォーター

まとう人によって、表情が全然違ってくるフレグランスです。若い男性がまとうと、活き活きとしてカジュアルな雰囲気になりますし、年齢層が高い方がまとうと、余裕があって、知的な印象を与えるのです。香りをプラスすることでツヤっぽさが出て、より魅力的な男性として印象を残せます。


加藤さんが勤務するラトリエ デ パルファム 松屋銀座

ブルガリやクロエ、グッチをはじめとしたファッションブランドのフレグランスから、ボンド・ナンバーナインなどのメゾンフレグランスまで取り扱うフレグランスショップ。優美で心地よい雰囲気とパーソナルなサービスで、豊かな品揃えの中から香り選びを楽しむことができる。
住所:〒104-8130 東京都中央区銀座3-6-1 1F 化粧品ギンザビューティー

問い合わせ先/ブルーベル・ジャパン 0120-005-130(受付時間10:00〜16:00)

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