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COLUMN

【NOSE parisに学ぶ】
グルマンノートの先駆者、オリビエ・クリスプの情熱と忍耐

2017.07.24

Scentpedia編集部
調香師 オリヴィエ・クリスプ

今日の【NOSE parisに学ぶ】調香師シリーズでは、グルマンノートの先駆者である、オリヴィエ・クリスプを紹介。

彼は、1992年のティエリー・ミュグレーの「ANGEL」でバニラや、桜餅に含まれるクマリン、チョコレートの甘い香りを巧みに操り、新たに「グルマンノート」を定着させた、先駆者。それ以降も、ニナリッチの「NINA」など、グルマン調のものから、ドルチェ&ガッバーナ「ライトブルー」、ヴァレンティノ「VALENTINA」、他にもペンハリガン、ケンゾー等、数多くのフレグランスを手掛ける。

以前には、ANGELの香りと「ラ・メゾン・ドゥ・ショコラ」がコラボレーションしたショコラが発売するなど、他業界からの注目も集める、マスター調香師である。

そんな彼のモットーは、「情熱と忍耐」。調香師として仕事をする上で、最も重要な事は、諦めずに、欲求や好奇心を開放し、維持することだと語る。南仏・グラースに生まれ、そこでの家族との生活が、香りの仕事への情熱を傾け、素晴らしいラベンダー、ミモザ、スミレ、メイローズの香りは、そのまま思い出となった。それらが揃ったグラースで育たなければ、調香師としての自分はいなかったと振り返る。

調香師としてのルーツ

香りの記憶として、何があなたの人生、もしくはキャリアに印象深く残っているのか、という問いの中で、彼は間違いなくシトラスの香りだと語る。父親は、柑橘系の原材料を扱う生産工場で働いており、高品質のベルガモットやマンダリン、レモンを求めて、カラブリアやシチリアに足を運んだという。

祖父が、ベルガモットのタンクがある地下室の換気を行うと、家中がそれらの香りに包まれ、幼い頃の純粋な目で確かめられた、上質な材料を知る感覚として、不可欠な記憶であった。

グルマンノートが主体のフレグランスを世に送り出しながらも、ドルチェ&ガッバーナ「ライトブルー」や、ケンゾー「ローパーケンゾー」をも手掛ける彼の幅の広さは、自然に溢れるたくさんの花々や、柑橘の香りを知ることのできた、生まれながらの環境にあったことが伺える。

どのようなことに大しても、オリジナルのアイデアで進むのを重要し、自信のスタイルはとてもシンプルで単純であり、本質を捉えている彼ならではの考えと情熱が合わさったフレグランスは、いつの時代も捉え、人々を魅了する。

シトラス系の香りについて、参考記事:
(レモンとライムの違い)http://scentpedia.co.jp/column/detail/121
(ベルガモット)http://scentpedia.co.jp/column/detail/123
(参照元/http://nose.fr/fr/magazine/interview/nez-a-nez/olivier-cresp)
Nose 公式HP/http://nose.fr/fr/

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