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COLUMN

2023.03.28 EssenceN°15 グルメノート

2023.03.28

Scentpedia編集部
近年の動向と香水業界マーケティング
現代人の生活に馴染み、若い世代にも取り入れやすい香り『グルメノート』のレシピとは

この2−30年で、香りに興味を持つ人の年代層の中心が高齢層から若年層に推移してきました。
若者と高齢者ではやはり好みの香りが異なってくるため、フレグランスマーケットもターゲット層に合わせて変容してきました。

主に若い人が香水を使うようになると、香水の販売価格も往年のシャネルなどに見られる高級香水のように高額に設定することは難しくなり、安価でカジュアルな印象のものから、スキンケアなど日常的に取り入れやすい商品に香りを付加価値として販売するなど多様に開発が進み、香水にとどまらずフレグランス商品のバリエーションが広がることにも繋がってきました。

近年の香水開発では、比較的従来通りのフローラル系に加え、フルーティノート・シトラスノート・アニマルノート・ウッディノートがよく使われる香調となっています。
実際にはそれらの香りをうまく組み合わせながら、対象とするマーケットや世代ごとにニーズに合わせた香りの商品開発が進められています。

中でも若年層へのニーズ変容によって、「シトラス」「フルーティ」など、以前はあまりメジャーではなかった香料食品由来の香りが採用されることが増えました。

LANCOME Tresor

その先駆けとなったのは、ランコム社の『トレゾア』という香水が初めて「ピーチ」の香りを起用したことでした。

その後、ストロベリー・ラズベリー・洋梨・アップルなどの身近なフルーツ香りが香料として注目され始め、若年層のトレンドが追い風となり、近年では積極的に採用されるようになって、徐々に香料業界でのシェアを広げてきました。

これら食品由来の香りは「グルメノート」とも呼ばれ、この10年ぐらいでよく使われるようになった香料のジャンルです。

グルメノートは食品由来の”美味しそうな”香りなので、例えば香水では食事の場所や小さい子供のいる場所に香りを取り入れやすかったり、カジュアルなデイリーユースの製品・低価格帯のものに用いても違和感なく手に取れるものとなったり、口に入れても安全なものは肌につけても安全という印象によりスキンケア商品やファインフレグランスにも広く採用されています。

食品由来の香りとしては、近年では「スイーツ」由来の香りである『グルマン系』も若い方を中心に人気ですね。
グルマンについては、こちらで詳しく触れていますので、是非合わせてご覧ください!

グルメノート、今日では現代人の生活に欠かせない香りのジャンルの一つですね。

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