色々なフレグランスに触れていると、よく出てくる「チュベローズ(月下香)」の香り。みなさんはこのチュベローズの香りと魅力を知っていますか。日本ではあまり馴染みがない花の名前ですが、香料として原産国に多いのはインドやエジプト、そしてフランスです。日本ではほとんど見かけることがないと思いますが、何せ切り花に出来るまで育てることが大変なのだそう。
何かを訴えかけるような情熱的な甘さ、艶やかで、ミステリアスな花の香り。女性らしい繊細な要素も兼ね備えるチュベローズは、今のトレンドともされる「ホワイトフローラル」に分類されます。白い花というと、繊細で可憐なイメージを持たれるかもしれませんが、ジャスミンやチュベローズ、ネロリなど、情熱的に香る花も沢山あるのです。チュベローズが使用されている近頃発売された香水でも、ブルガリ「ゴルデア ローマンナイト」、グッチ「グッチ ブルーム」、シャネル「ガブリエル シャネル」、エルメス「ツイリー ドゥ エルメス」など挙げていけばキリがないほど。これぞ女性らしさ、といったような、特に今注目すべき原料だと言えるでしょう。
そしてやはりその香りから感じられる魅惑的な印象は徒者ではないようで、過去には「花のなかで最もセンシュアルなもの」として扱われ、その催淫作用から、中世ではチュベローズ畑を横切ると欲望が抑えられなくなるあまり、夜間通行禁止令も出されていたという逸話もあるほど。
こちらはシングルフローラルとして作られているチュベローズのフレグランス。甘い香りを楽しめつつも、コロンとして作られているので、気取らずに使えるのも嬉しいポイントです。「いかにも香水」な香りが苦手な方でも、ふくらはぎなどにつけて試してみてはいかがでしょうか。本物のお花の香りが好きな方には特にハマる逸品です。
こちらは、「夜のチュベローズ」とのタイトルの通り、ドラマティックで甘く、ミステリアスなチュベローズを表現したフレグランス。繊細で複雑な調香で作られた香りは、纏うだけで気品を感じさせます。チュベローズにウッディーでスパイシーなノートを加え、少し大人の女性を感じさせる難易度も高いと言えるでしょう。
夏も終わり、少し肌寒くなったこの頃。甘いチュベローズの香りを纏うのにはぴったりなシーズンではないでしょうか。