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COLUMN

香りを知るN°2
香りのノート

2017.05.26

Scentpedia編集部

香水カウンターに行った時に
「どんな香りが好きですか」とか、「何かお探しですか」という質問に
戸惑ってしまった、なんて経験はありませんか?

甘い香り、さわやかな香り、ちょっと重ための...
簡単には説明できても、その抽象的なワードから、自分の好きな香りを汲み取ってもらうことってすごく難しいですよね。

そんな時のためにも、簡単に香りの香調を噛み砕いて、説明していきます。
興味のある香調を是非、香水カウンターで実際試してみましょう。

香水には、トップノート、ミドル(ハート)ノート、ラストノートと三段階に香りが変化していくのがほとんどになっていて、トップノートにしっかり香るもの、時間が経たないと浮き出てこない香り(残光性が高い香り)を、ほとんどグループに分けることができるのです。

トップノートにくるものから順番にお話していきます。



■ シトラス
レモン、ベルガモット、マンダリン、グレープフルーツなどの柑橘から抽出した、フレッシュで爽快感のある香り。
微量でも、ほとんどの香水にはシトラス系香料は含まれていることが多く、香水の最初の印象を定める重要な役割。
残香性が低く、香りがすぐに飛んでしまうのも特徴。


■ マリン(アクア)
その名の通り、海や、潮風、水分を感じさせる香り。
マリン系の香料には海藻から抽出した香りもありますが、睡蓮の香りもマリンノートを感じさせるお花です。

■ オゾン
ガスや、空気を思わせる特徴的な香り。
微量で十分に存在感があり、マリンノートとオゾンノートは同じ分類にされることも多く、近しい存在。

■ グリーン
植物の茎や葉を感じさせるような緑の香り。
ガルバナムや、スミレの葉などの香りが、グリーンノートといわれるもので、新緑などを思わせる自然に存在する香りです。

■ スパイシー
シナモン、ナツメグ、コリアンダーなど、香辛料も香りとしてフレグランスに加えることができます。
特徴的なフレグランスにしたり、温かい/冷たい、などの表情を出すのにも欠かせない存在です。

■ アロマティック
ラベンダー、タイム、レモングラスなど、ハーブの草花の香り。
ナチュラルで、アロマというと女性をイメージするかもしれませんが、フレグランスにおいては男性らしいニュアンスを出すのにも重要な香りです。

■ フルーティー
メロン、ストロベリー、ラズベリー、スイカ、洋梨、マスカットなど、香水には様々なフルーツの香りが使われます。
日本人にとっても馴染みが深く、香水の使い始めにも取り入れやすく、シトラス同様に、好き嫌いが分かれにくい香りです。

■ フローラル
三大フローラルの、ローズ、ジャスミン、すずらんを始めとして、イランイラン、ヒヤシンス、ライラックなど、柔らかかったり、セクシュアルであったり、女性らしい香りの代表格です。
フローラルにも、シングルフローラル(単一のお花をイメージした香り)と、フローラルブーケ(いくつかのお花を組み合わせて作られた香り)があります。

■ ウッディー
シダーウッド、サンダルウッド、パチュリ、ガイアックウッドなど、樹木の香り。
少しの甘さと落ち着きを感じさせるサンダルウッドや、ドライさを感じさせるシダーウッドの香りなどがあり、含有量が多いほど、男性らしさを感じ易いですが、女性用の香水にも使われています。

■ パウダリー
おしろい(白粉)や、化粧品のパウダーを思わせるような香り。アイリスや、スミレの花、クマリンという桜餅に含まれる香料成分も「パウダリー」な香りです。甘く、優しさのある香りが特徴。

■ アニマル
代表的なムスク(麝香鹿)の香りや、シャネルの「N°5」に含まれるシベット(麝香猫の分泌物)、レザー、スエードなどの革の香り、アンバーグリス(マッコウクジラの結石)などがある。現在では合成香料がほとんどです。
アニマル系の香りが加わることで、よりお花の香りが、花らしくなったり、官能性を高める、男性らしい輪郭を作るなどと、それぞれ欠かせない役割を持っている。

いかがでしょうか。
なんとなくイメージができて、自分が纏いたい香りや、試してみたい香りが見つかりましたか?

香りの表現がわかったことで、香水カウンターにも気軽に行くことができるようになったのではないでしょうか。

色々な香りを試してみて、自分にとって心地よく、楽しめる香りを探ってみましょう。

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