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COLUMN

アンバーとは何か

2023.04.14

Scentpedia編集部

前回のコラムに引き続き、今回はアンバーについて詳しくお話していきます。
みなさんは、アンバーという香料をご存じでしょうか。アンバーは、ムスクと同じ動物系香料の一種です。

アンバーの原料は、マッコウクジラの腸内結石で、海岸に流されている結石を粉末状にしたものです。匂いとしては、ウッディやタバコの臭いをしています。用途は、ムスク同様に高級香水を中心に使用されていて、「偶然の産物」とも呼ばれています。
腸内結石とは、マッコウクジラが海の中で食べたものの中に、タコや消化しきれないものがお腹の中で結石になった物のことを言います。それを香料として使用しています。
ムスクもアンバーもですが、初めて使った人がどのようなきっかけでそれを使い始めたのか。想像すると、人類の冒険心を感じますね。

動物系香料の中で、一番受け入れやすい香りであるアンバーは、ウッディに近い香りがします。ウッディとは簡単に説明すると、お線香を焚いている香りに近いです。アンバーの香りが好きな人は、この香り単体でもつけられるような香りです。
少しスモーキーでむせ返るような、深く吸い込めるような香りではないです。香りのインパクトが強いので、強い香りが苦手な人は苦手な香りかもしれません。

合成香料であっても、アンバーの香りを強めると茶色が出てきます。なので、アンバーを効かせた香水を作ろうとすると、基本的に香料自体が茶色味を帯びていきます。この色を完全に除去しようとすると、香りが変わってしまいます。
例えば、茶色からグリーンなど、茶色と対になる色味の香水はとても作りづらいのです。
茶色を薄めて、赤っぽくしたり、オレンジっぽくしていくことはできるかもしれませんね。

ムスク、アンバーと動物系香料についてお話ししましたが、少しずつ香料の世界を想像しやすくなってきたでしょうか。
香料を知っていくにつれ、なんだかワクワクしてきませんか?
みなさんも、動物系香料を含む香水特有の、香りの広がり方を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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