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COLUMN

EssenceN°8
それひとつで香水になる、究極の香料

2017.07.12

Scentpedia編集部
イソEスーパーとは

イソ E スーパー(Iso E Super)という香料があるのはご存知でしょうか。イソEスーパーは、インターナショナルフレーバーズ&フレグランス コーポレーション(IFF)という、アメリカの香料メーカーが特許を取得している、合成香料です。

ウッディーノートのフレグランスには、頻繁に使われる香料ながら、自然にある香りではなく合成香料であることから、フレグランスのニュースにでてくることはほとんどないのですが、なぜ今回、わざわざこの合成香料に着目したお話をしようとしているかと言いますと、イソEスーパーの香料、一種類だけで作られたフレグランスが、この世にはあるんです。

それが、エキセントリック・モレキュールズの初代のフレグランス「モレキュール01」。

香水って天然のものからほとんど製作されているんじゃないか、と思っている方、意外と多いのではないでしょうか。そういった想像を大きく上回っていますが、数種の香りの調和をとったフレグランスではなく、イソEスーパーの一種のみで作られたフレグランスが発表されたことは、香水業界をも大きく騒がせました。シンプルなものだからこそ、人を惹きつけ、纏う人によって違った香りが楽しめる。イソEスーパーが100%で作られた「モレキュール01」に対して、イソEスーパーの濃度を65%にし、ピンクペッパーやオリス、ライムなどの香りを足した「エセントリック01」も展開しています。

(公式ホームページより抜粋:http://www.escentric.jp/)
調香界の異端児「ゲサ・ショーエン」

このエセントリック・モレキュールズを手掛けているのが、調香師のゲザ・ショーエン。13歳の頃から香りを嗅ぎ分ける訓練を行い、23歳で現在のシムライズ社の養成プログラムに参加し、雇用され12年在籍した後に独立。彼がお気に入りとする、肝心のイソEスーパーの香りは、シダーウッドや、アンバー、すみれのような優しいノートが、バランスよく溶け合うウッディーノート。なめらかで甘美な雰囲気も持ち合わせ、人肌にのせると、また違った表情をみせる、まさに魔法のような香料なのです。

男性的な香りにも、女性的な香りにも幅広く使うことができて、その香りの変化の与え方や、持続力、多様性から、ミニマリストな調香師ジャン=クロード・エレナを始めとする、様々な現代調香師に称賛されています。すぐに香りが感じられるというよりは、時間が経つとじんわりと香るような、アンニュイな印象と、香りの持つ表情の多さがなによりの魅力なのです。

香りは、体温や肌のpH値、元々の体臭などから、フレグランスの香り方は人によって少し違うものですが、こういったシンプルな処方の香りを、カップルで楽しんで、香り方の違いを試してみるのも面白いかもしれませんね。

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