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COLUMN

香りの雑学について Part2

2023.07.11

Scentpedia編集部

今回のコラムでは、前回に引き続き「香りの雑学」について2つお話し致します。

皆さんは、宗教にも香りが関係しているのを、知っていますか?

例えばヒンドゥー教では、「ホーリー(Holi 聖なる)バジル」という香りを宗教の儀式で使用しています。
バジル天然香料を主体としてクローブ(種子。チョウジと呼ばれ、比較的オリエンタルな香り)が混じっているような香りで、現在でも宗教上の儀式では必ず用いられています。

インドでは、ホーリー(Holi)祭というヒンドゥー教の春のお祭りがあります。
もともと豊作祈願の祭りだったものが、その後、クリシュナ伝説などの各地の悪魔払いの伝説などが混ざって、現在では、男女のグループに別れ、神々や男女の愛情を表す歌を歌ったり、神話にちなんだ焚き火を燃やし、悪霊を焼き幸福を祈願したりします。
ホーリー祭は泥水や、色水の掛け合いが有名なのですが、それは二日目に行われるイベントで、祭りが始まると、見知らぬ人にまで、顔や身体に色粉を塗りつけたり色水を掛け合ったりと、大騒ぎとなるそうです。

ホーリー祭では伝統的に用いられてきた「色粉」というものがあり、それはハナモツヤクノキの花などが原料で、天日に干して粉末にして使用されています。
水と混ぜると濃いオレンジ色になるのが「色粉」の特徴です。

次に、「香」という漢字ができるまでをお話しします。

中国で約3300年前から用いられてきた古代文字(象形文字)では、“香”という漢字は下部の「日」の部分がサイと呼ばれる水を張った器(水面の波紋に神の気配を感じる神具)、上部がキビ(植物)の形から成っています。
古代シャーマンが神事にてキビを蒸留したお酒の芳醇な香りを神様に献上する様子を表しているとされています。

「香」という漢字が出来上がるまで、きっと沢山の、香りに関する風景があったことでしょう。
そういった、香りに関する過去を紐解くことで見えてくる、過去の香りの世界もとても美しく、魅力的なものです。

これら歴史的な様々な事象が証明するように、世界中の文化の中に「香り」は深く関わり続け、その効果や効能は多くの人々の生活に深く馴染み定着しています。

日本人は化学的根拠を大変重要視する傾向があり、多くの人はそれにより自分で感じ考えることを手放している部分があるのではないでしょうか。

今後も「香り」が私たちの生活を豊かにし、日本文化に定着し、国際的にも発展していく可能性に期待したいですね。

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