前回僕が、香りに魅了されたお話をしたのですが、もう少し、話の続きにお付き合いください。
香りに興味を持ち始めてから間もなく、初めて「香水」と出会ったのは11歳の時でした。母親が当時使っていたブルガリの「オムニア」を、興味本位でこっそりと付けたのが始まりで、初めて嗅いだ時、独特の甘さがすごく心に響いたのを覚えています。
香水ってこれだけでこんなに香りがするものなのか、という子供ながらの驚きにも近いものでしたが、これが僕と香水の最初の出会いでした。
中学に上がり、ひとつ上の姉の影響で、自分も香水を使ってみよう、と思い立ち、地元の香水のお店で選んだものが「ローパ ケンゾー」です。中学に上がる前から、あることをきっかけに人と話すことを避けていた僕でしたが、香水をつけて学校に行くと、今まで話してこなかったような友達と話せるようになり、出会いが増えるきっかけとなったのです。香水をつけることで自分を変えられて、人からの見られ方も変えられる、という香りの持つ力に魅了された出来事でした。
香りに興味を持つエピソードというものは、人それぞれに違いがありますが、僕が幼い頃に受けた「オムニア」の衝撃は、今の自分を作った出来事であり、初めて買った香水「ローパ ケンゾー」や、父親が使っていた「ck one」は、思い出の香水であり、自分を強くしてくれたものになりました。
目に見えない香りの世界で、人を変えられるというのは、とても不思議なことですが、実際にあるんだということ、もし元気がない人がいたら、ちょっと強くなりたいとき、香りで自分の気分を上げてみてはいかがでしょうか。僕のように、何か変わることもあると思います。