海外のフレグランス情報を探るべく、本日より【WORLD RESEARCH】の連載をスタートします。

第一回目は、フランス・パリの注目のブティック「NOSE(ノーズ)」

代表はニコラ・クローティエ。世界中の２０カ国で経営コンサルティングに従事している彼は、「人」に焦点を当て、パリ２区に、フレグランスのコンセプトストアを確立しました。
そんな彼と、調香師としてギャルソンの香水を手掛け、自身もメゾンを持つマーク・バクストン、統計学者や、起業家などを共同設立者としています。

ノーズでは、ニッチフレグランスを45ブランド以上取り揃え、コスメも含めて600種類以上の製品を扱っています。
ブランドとしては、ディプティック、アクアディパルマ、ペンハリガン、メゾンマルジェラを始めとして、トーラ、ロレンツォ･ヴィッロレーシ、ピエール ギョームなど、まだ日本未上陸のブランドも多数。「オートフレグランス」と呼ばれる、高級で、少量しか生産しないフレグランスにも、ここでは出会えるのです。

開放感のある広さに、エルメスやサンローランにもお花をおさめる、バティスト・ピトゥ氏の手掛けるお花のデコラシォンが飾られ、フレグランスが数多く並ぶ店内。

これだけでも、感度の高いパリジェンヌのお気に入りブティックになりそうなものですが、このブティックの魅力は、そこではないのです。

このブティックの醍醐味は、「iPad」を使って、自らがこの５年で使ってきた香水や、好んで使っているフレグランス３種から、パーソナルな香りを診断できるところなのです。

まずはじめに５種類の香りが出されます。それらの好みを10段階で評価して、さらに５つの香りが提案されます。さらに評価すると、最後には２種の香りが導き出されます。

こうやって香りを試して、評価していくことで、好みの香水が見つかるというもの。

香りって自分で選んでいると、好きな雰囲気や、ブランド、香りの特徴に偏ってしまいがちですが、
自分の好みで選んでいるデータをもとに、別の角度から香水を提案してもらえるというのは、納得もできて、さらにこのニッチフレグランスやオートフレグランスを多数取り揃えているブティックならではの、「普段あまり出会えない特別なフレグランス＋自分好みのテイスト」に出会うことができるのです。

なんとなくネットで診断できると言われると、不信感が生まれがちですが、診断材料となる実際に使っているフレグランスという点において、ここのサイトには、世に出回るフレグランスは、ほぼ登録してあり、データベースの入力や、アルゴリズムの開発には３年近くかかったのだそう。

それでいて、パーソナルな診断には、ほぼ必須とされる「誰か」との会話がなく、コミュニケーションをとる必要がないので、単に自分の好き・嫌いの感覚だけで選択することができ、思うままに時間をかけて悩んで試せるのは、海外旅行で言葉がそんなに話せないから自分の思うように伝えられないという不安を持つ方や、話していると店員さんに流されて買ってしまう。なんて方にもいいですよね。

HPでの診断も行っていて、最初に提案される５種類のトライアルセットを購入することもできるとのことです。

オフィシャルHPでは、アルベルト・モリヤスや、マリー・サラマーニュらの今活躍する著名な調香師を多数取り上げており、フレグランス業界との強いつながりをもっていることも伺えます。

オフィシャルサイトでの診断だけでも楽しいですが、パリに行く機会があれば、実際に訪れて、その場で香りを試しながら、じっくりと自分の特別なフレグランス選びを体験してみたいものですね。