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伊勢丹新宿店に勤めるパルファム ソムリエールが伝授する 雨の日と晴れの日のフレグランス選び

2018.05.22

Scentpedia編集部

ブルーベル・ジャパン独自の資格パルファム ソムリエール。今日は伊勢丹新宿店に勤めるパルファム ソムリエール 中村 幸子さんが、“雨の日と晴れの日のフレグランス”をテーマにフレグランスを紹介。毎年サロン ド パルファンを開催する店舗ということもあり、「フレグランスを探すなら伊勢丹新宿店」とも言われるほどの豊富なラインアップと感度の高いフレグランス上級者が集うフレグランスカウンターで9年間勤める中村さんのインタビューから、フレグランス市場のリアルが垣間見えた。

-フレグランスに携わる仕事をされている方、フレグランスにこだわる方のお話を聞いていると、フレグランスの品揃えや感度の高さにおいても、「フレグランスを見るなら伊勢丹新宿店」という声をよくお聞きします。やはりお客様もフレグランスに詳しい方、感度が高い方が多いのではないでしょうか。

中村 幸子さん(以下、中村):その通りで、多くいらっしゃいます。情報もたくさんお持ちですし、お買い物を楽しむ目的でおしゃれをして来店される方、仕事終わりに立ち寄られる方や、お友達同士でフレグランスを選びにいらっしゃる方まで様々です。海外の方も、「伊勢丹」をご存知で来店されます。


-1階のフロアの様子を見ると、圧倒的に女性のお客様が多く見られますが、男性のお客様もご来店されるのでしょうか。

中村:男性のお客様もここ数年で増えて来ました。全体の2、3割くらいが男性の方ですね。


-男性のお客様と女性のお客様では、フレグランスの選び方も違って来るのでしょうか。

中村:男性は、香りのイメージや質、オリジナリティを重視していて、意外と女性よりも男性の方がこだわって選ばれるので、お店にいる時間が長いんです。女性は、香りのインパクトや、周囲の反応をもとに選ばれることが多いように見受けられますし、女性の方が香りの好き嫌いがはっきりしていますね。


ー接客においても非常にレベルの高いものを求められるのではと考えられますが、工夫している点や、中村さんご自身が大切にしていることがあれば教えてください。

中村:会話の中でお花や、お着物についても詳しい方もいらっしゃるので、私自身も色々なことを勉強しないとな、と感じさせられることが本当に多いです。工夫していることだと、普段香水を使わない方ですと「伊勢丹」というイメージから、フレグランスカウンターに立ち寄ることに緊張してしまう方もいらっしゃるので、親しみやすく、肩肘張らずに楽しく香水を選んで頂けるような接客を心がけています。


-伊勢丹新宿店ならではのサービスや、特徴はありますか。

中村:やはり種類の多さですね。メンズ館にもフレグランスはありますし、多種多様なブランドに触れることができるところは魅力です。他の店舗と同様に、フレグランスコンサルテーションも行っています。

-ここ最近で、より一層メゾンフレグランス・ニッチブランドのフレグランスへ注目が高まっていると言われていますが、店頭でそのような変化を感じることはありますか。

中村:香りにオリジナリティを求めるお客様が増えたこともあって、価格は高くても上質なものを購入される方は多くなりました。1つのきっかけとしてメゾン フランシス クルジャンが入ってきた2012年頃からメゾンブランドへの受け入れが深まったように思います。


-お客様の注目している香調やフレグランスの系統にトレンドや変化はありますか。

中村:私が伊勢丹新宿店に配属されたのが9年ほど前なので、その期間での変化なのですが、当初は爽やかなシトラスノートが多く選ばれていたと思いますが、今はしっかりと甘さがあったり、比較的存在感のあるフレグランスへの注目が高まりつつあります。周囲の方に配慮してまとっていたというイメージから、自分の使いたい香りをファッションやシーンに合わせて身につけるようになってきたと感じます。


-5月から6月にかけて取り入れるのにふさわしい香調はどのようなものでしょうか。

中村:ちょうど開花時期にあたる、ローズの香りは品があって素敵ですね。他に奥ゆかしさのあるシャクヤク(ピオニー)や、鮮やかで人を惹きつけるハニーサックルの花の香りも、心を穏やかにしてくれます。柑橘系なら、弾けるような明るさがあるグレープフルーツの香りもおすすめです。


-お客様も季節や天気、さらには装いによって香りを使い分けたいという上級者の方が多いのでしょうか。

中村:そうですね。それこそお花のシーズンに合わせて香りを選ばれていたり、香水を生活の一部としてアクセサリー感覚でまとって、様々なフレグランスを楽しまれている方が多いと感じます。


-梅雨の時期など、湿気が気になる季節は、電車内などの狭い空間には特に香りがこもりやすく、フレグランスをまといにくいと考える方が多いと思います。まとい方や、選び方のポイントを教えてください。

中村:清潔感のあるシトラス系のフレグランスや、みずみずしさを感じさせるフローラルの香りが使いやすいと思います。まとい方としては、一箇所につけるよりも、ウエストのあたりと、足首にスプレーすることで香りが下から上に立ち上がっていくので、さりげなくふんわりと香らせることができます。


−初夏の晴れた日にまといたいフレグランスと、雨の日に心地よくまとえるフレグランスをそれぞれ教えてください。

初夏の晴れた日にまといたいフレグランス
レディスフレグランス

アニック グタール「ル シェブルフイユ オードトワレ」

日常的に取り入れやすいフローラルノートですが、どこか懐かしさがあって晴れた日の芝生の上のような情景を感じさせてくれます。ハニーサックルやジャスミンが女性らしく、高揚感を高めてくれて太陽との相性もぴったりです。

メンズフレグランス

クリーン「クリーン リザーブ シトロンフィグ オードパルファム」

そよ風に香りがのってくるような軽やかなシトラスとスパイスが効いたウッディが心地よいユニセックスのフレグランスなので、距離を縮めたくなるような香りです。

梅雨の湿気が気になる季節にまとえるフレグランス
レディスフレグランス
ラルチザン パフューム「シャン ド フルール オーデコロン」

花々の女性らしい香りは、お花屋さんに行ったときのような清々しい空気を楽しむことができます。弾けるように陽気で、繊細なフルーティーな香りと、5月に咲くスズランの香りが印象的ですね。傘の内側にワンプッシュして外出先で楽しむのもおすすめです。

メンズフレグランス

ラルチザン パフューム「シャン ド ベ オーデコロン」

ベリーの甘さも引き立つのですが、白いシャツに合わせられるようなリフレッシュ感と、親しみやすさが魅力的なユニセックスにお使い頂ける香りです。汗をかく時期になってくるので、ハンカチにひと吹きして、リフレッシュアイテムとして持ち運ぶのもいいですね。


中村さんが勤務する伊勢丹新宿店本館1F フレグランスカウンター

ファッションフレグランスから、メゾンフレグランスまで幅広いブランドを取り扱うフレグランスカウンター。お客様自身のライフスタイルやファッション、キャラクターに合わせたフレグランスを3つのシーン別に提案してもらえるフレグランスコンサルテーションも行い、優美で心地の良い雰囲気で、香り選びを楽しむことができる。

問い合わせ先/ブルーベル・ジャパン 0120-005-130(受付時間10:00〜16:00)

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