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初出展のサロン ド パルファンで予算比225%を記録した「R fragrance」の調香師 村井千尋が日本に"本物の香り”を届ける

2017.12.04

Scentpedia編集部

今年の3月に発表されたフレグランスブランド「R fragrance(アール フレグランス)」の調香師、そしてクリエイターである村井千尋。今年のサロンド パルファンでは、初出展ながらに、予算比は225%という数字を叩き出した。その数字の意味は、ブランドの「商品力」にあると語り、日本人が未経験の、本物の香りを届けたいという想いで挑むクリエイションがブランドに反映されている。ジャパニーズエレガンスを感じさせるフレグランスを手に、さらなる飛躍を目指す村井千尋に話を聞くことができた。

 

—ブランドの強みはどこにありますか。

調香師 村井千尋(以下、村井):日本在住の日本人だからこその感覚で作る、日本の気候や日本人の肌にマッチする香りであるということですね。私自身が香りを原料から操ることのできる調香師だからこそできる、本格的なクリエイティブの仕事であることです。

 

—すべて日本で、日本のものを使って製造しているのでしょうか。

村井:香料に関しては、決まった産地でしか抽出できない香りがあるので日本のものもあれば、海外のものを使用することもありますが、できる限り日本のものを選んでいます。調香から製造や充填、紙類などもすべて日本で行っています。

 

—3つの香りで1番人気の香りを教えてください。

村井:売れる数でみると「ティーブレイク」ですね。シーンを選ばないですし、好まれやすさと、他ブランドになかなか無い香りであることが人気の秘密ですね。ただ、香りマニアの方には「ノーブル オーキッド」の淑女の香りがとても評判がいいです。「久々に、本気で良いと思える香りに出会えた」という声も頂いたりと、対局のクラスターの方たちからそれぞれ反応があります。

 

砂糖がたっぷり入った上品なアールグレイが香る「ティーブレイク」

−インスピレーションの源は何でしょうか。

村井:例えば現存している建物や風景などから得ることもあります。「ブラックウード」だと、京都にある龍安寺の石庭が物語る、「あることはわかっていても、現状に満足して生きていきなさい」というお釈迦様の教えだったり、貴族の遊びとされていた香道といった文化など、日本で生活して触れ合うものですね。共通点としては目に見えないものでしょうか。仕事なのでこのように話していますが、プライベートでは自分のことを伝えるのがすごく苦手なので、そういった感覚で捉えたことや感情を、香りで表現するようにしています。

 

−メイドインジャパンのブランドとして海外進出も考えていますか。

村井:今は海外に出て行く前に、国内でしっかりやっていくことを考えています。


 –日本のフレグランス市場は小さいことから、ブランドの立ち上げには不安があったのではないでしょうか。

村井:ありました。でも同時に、こういったフレグランスを日本に届けることを誰がやるの?と考えときに、私がやらないと、というような使命感を感じるんです。初めはいろんな方に、日本製なんて売れないからやめなさいと口を揃えて言われました。ただ、やろうと思ってやれないことはないと思っているので、自分の信じたことをやるまでですよね。頑固なんですよね(笑)


—そんななか日本のフレグランス市場で自身のブランドを売っていくことについて、どのような戦略が必要だと考えられますか。

村井:やはり知名度では海外のブランドにはかなわないと思います。ですが、ブランド名は持ち運べないですし、私は私で本物のものにこだわって一貫していい香りを突き詰めていくことです。私としてはビジネスライクに香りを届けることは考えていないので。

 

−新たな香りの発表も予定していますか。

村井:実はブランド発表に向けて、もう少しラインアップを準備していたのですが、やはり自信をもってレベルが高いと思える、自分の中の基準を超えた商品しか出せないと思い、3種の展開になったんです。来年の3月に2つの香りを発表します。今試行錯誤中ですが、今掲げたテーマに沿って香りを表現できたら、調香師冥利に尽きる。というようなものです。(笑)

 

−これからの展望をお聞かせください。

村井:独立してからずっとブレていないのは香りの文化の普及させたいということですね。日本はまだまだ香り後進国ですが、いずれ消費者が自分自身で香りを選び抜くことができるようになっていければと思います。

 


R fragrance クリエイター・調香師 村井千尋プロフィール




幼少時より、匂い玉やコロンなどに興味を持ち、香りに触れて育つ。
調香師を目指し、香りの原料や調香技術の専門教育を受けた後、企業で調香師として勤務。2014年に独立。
2017年1月に(株)R fragranceを設立、代表に就任。
同じく2017年3月、初の香水ブランド“R fragrance”を発表。現在購入可能な店舗は、ウェブショップやポップアップストアなどの催事となっている。

問い合わせ先/フォルテ0422-22-7331

ブランドサイト:http://rfragrance.co.jp

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