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COLUMN

EssenceN°7
アンバーノート

2017.07.03

Scentpedia編集部


フレグランスの香りの説明文のなかで「アンバーノート」、「アンバーグリス」という言葉がよく出てきますよね。でも実際のところ、アンバーというものが何かわからない人は多いのではないでしょうか。

まず、アンバーという言葉そのものは「琥珀」を指しますが、アンバーグリスは「龍涎香(りゅうぜんこう)」を指すものなのです。しかし実際では、アンバーとアンバーグリスは、まとめて「アンバー」と呼ばれ、アンバーノートと表現されることが多いのです。


はじめて香料として使用されたのは、7世紀前後と言われ、クジラの腸内にできる結石が香りのもととなっています。排泄されて海上に浮遊していたり、海浜に打ち上げられていたり、捕獲したクジラの体内から取り出されることもあったそうです。そして日光にさらされる時間が長いほど、品質は良いとされるのです。


肝心の香りですが、アニマルノートに分類される、その深みと、甘さが特徴で、動物性を感じさせる独特の雰囲気があります。決してパワフルなものではなく、落ち着きがあり、温かみがあり、センシュアルなオリエンタル系のフレグランスのベースノートには欠かせない香りです。


希少価値が高く、その特別な香りから、高価なものとして扱われておりましたが、現在では捕虜禁止となり、天然のアンバーグリスの香料はほとんど出回らず、合成香料が主になっています。

ヨーロッパに持ち込まれた龍涎香は、琥珀(コハク=アンバー)の仲間と誤解されアンバーと呼ばれますが、本来のアンバーと区別するために、アンバーグリスと呼ばれるようになったそうです。

アンバーグリスの香りが特徴的なフレグランス

ラルチザンパフューム/アンバーエクストリーム
スパイスにローズ、パチュリ、サンタル、バニラなどとアンバーノートが溶け出す、オリエンタルノートのフレグランス。濃厚で、情熱的な女性の香り。

プラダ/プラダ アンバー プールオム インテンス
ベルガモット、ソマリア産ミルラ、パチョリ、トンカビーンズ、ゼラニウム、オレンジ・ブロッサム、レザー、ベチバー、サンダルウッド、アンバー、サフランなどからなる、オリエンタル・フゼアの香り。あまり変化させず、終始ウッディーでスウィートな香調が特徴。

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